こんにちは。ぺちです。
以前、Amazonの転職や新卒採用における応募から合否連絡までの流れを解説しました。
その中で最終的な合否を決める工程に「デブリーフ会議」というものがあります。私も数十回面接官として参加をしました。
今回は面接対策には直接関係しませんが、Amazonがどのような話をして合否を決めているのか、少しだけご紹介します。
まだ記事をご覧になってない方は先に目を通して多くと話が入りやすいかと思います!!
デフリーフとは?
「デブリーフ」という言葉の意味から紐解いてみましょう。Chat GPTに聞いてみると以下のような返答をもらいました。
「デブリーフ」とは、一般的に「振り返り」や「事後分析」を意味します。たとえば、プロジェクトや活動が終わった後に、何がうまくいったのか、改善点は何かを話し合う会議や取り組みです。
つまり面接の結果を振り返るという意味ですね。
合否の決断はわずか30分
デブリーフの流れについて解説します。
まず事前準備。Phone Screen、Loop面接共に面接を終了した時点で候補者の合否を専用のシステムに登録を行います。ここでは自分が担当したOLPをベースにOLP毎に候補者が採用に値するかを判断する項目と、総合的に考え採用に賛成か反対かを投票(Vote)する項目の2つがあります。後者が最終的なジャッジとなるため、ここはものすごく慎重に行います。
そして会議当日。進行役のリクルーター、面接官、Hiring Manager(採用責任者)が一同に会します。リクルーターとは候補者につき1名が社内的につき、採用プロセスが円滑に進むようにスケジューリングを行ってくれる方です。
始めの5分程度で他の面接官のVoteを確認します。その後1名ずつなぜそのVoteにしたのかを簡単に話をして具体的な議論に移ります。
議論の内容は以下で詳しく解説しますが、基本的にはVoteが反対の方が話す機会が多いです。なぜなら特に反対となった要素(=力が不足していると感じる要素)が他の面接官との面接では確認できているかもしれないからです。「Voteが反対の理由として〇〇の力が足りてないと感じた。他の面接官の方でここを確認できた方いますか?」などと話を進めていきます。
Amazonの面接では合格のバーは非常に高く、とは言え面接は一人当たりたった1時間です。そこで候補者の全てを知るのは不可能です。そのため互いの面接結果で補填し合いながら会議を行うことでより合否結果の信頼性を担保しているなと感じました。
上記のような議論を進め最終的に全員の解釈が一致した上で合否を決めます。これをわずか30分で完結させるため、自身のVoteの要点と確認したい項目を予め明確にしてから会議に臨む必要があります。私は会議の前30分ほどは空けておき予め要点をまとめてから参加をしていました。
デブリーフ会議では2つのポイントで議論する
これは会議によって差はあるという前提ですが、私が参加したデブリーフ会議では主に2軸で候補者が採用に値するかを議論していました。
応募した職種に必要なOLPを満たしているか
以下の記事で詳しく解説していますがAmazonの合否を決める軸はOLP(Our Leadership Principles)です。各面接官が面接で確認するOLPを割り当てられており各OLPを網羅できているかを議論します。
仮に網羅できていなくても採用後に成長できる、トレーナブルと判断できれば合格とする時もあります。例えばOLPの中のDive deep(分析を基に判断を行う力)が不足しているとデブリーフ会議で議論されたとします。ただもし候補者がこれまで総務をしており、Dive deepした経験少ないとなればトレーナブルな可能性があります。そして逆に強みとしてLearn and be Curious(学び活かす力)があるのであれば今後学びそしてDive deepできるよねっと話になり合格になる。といった流れも全然あります。
実績の粒間が応募した職種に達しているか
実績の粒間です。これは中途採用で主に適用されますがいくらOLPが発揮できていてもその実績の大きさ、規模感、粒間が小さいとどうしても不合格になりがちです。
採用となった場合、その職種相応の業務を依頼することとなります。そこに耐えうる人材なのか。これの確認をデブリーフ会議では行います。
なお新卒採用では逆にこの粒間は意図的に無視するようにしています。これは即戦力として採用する中途採用の方に対して、新卒はこれから成長することでAmazonで活躍すべく人材になるという前提で採用を行うからです。たまに新卒の方でものすごい大きな実績をあげた方もいらっしゃいますが逆にOLPを発揮できているなって感じれないと逆に落ちます。
最終的な合否はどのように決めるのか
上記のような議論を通して最終的な合否を30分で決めます。
最終的な合否は基本的にHiring Managerが他面接官の議論の結果の基、決断します。
ただAmazonの合格のバーが高いと言われる所以がここにもあるなと感じたこととして、たとえ合格票が多数でも落ちることがあるということです。少しでも懸念点やOLPの中でトレーナブル出ないと判断されるとガンガン落ちちゃうんです。私も4名の面接官のうち3名が合格、1名が不合格としていて最終的に不合格に結論付いた議論を何度も経験しました。
Amazonでは同じ職種の現Amazon社員に対より成果を出せる人材かというポイントのもと採用を決断します。こうすることで優秀な人材を妥協なく採用し、強い組織を作り、ビジネスの成長に繋げています。よって採用プロセスにおいて妥協は一切許差ないんだなと毎回感じていました。
最後に
今回は採用面接の合否を決める「デブリーフ会議」についてお話をしました。
Amazonがビジネスとしてわずか20年余りで世界的な企業に成長した所以はこの厳しい採用プロセスが一翼を担っていると私は感じます。
なかなか知ることが無いAmazonの話を今後も投稿していきますのでお楽しみに!!
