こんにちは。ぺちです。
Amazonの新卒採用や転職の面接対策として最重要項目にあげられるOur Leadership Principles、通称OLP。
これはAmazonの全社員に求められる行動指針であり、面接では候補者がOLPを体現できる人材であるかを確認しています。
本記事では、具体的に面接でどのように話すことで合格にたどり着けるのか、最も需要な4つのOLPに絞って解説していきます。
なお、以前の記事にて「そもそもOLPって何だっけ?」「どのOLPが面接では聞かれるのか」を解説しています。本記事はその続きに当たりますのでまだ読んでいない方はぜひご覧ください。
OLPとは
Amazonが大切にしている価値観・行動指針をまとめたものが OLP(Our Leadership Principles) です。
Amazonでは、全従業員がリーダーとして自発的に行動することが求められます。日々の業務や意思決定、採用面接、評価制度に至るまで、すべての場面でOLPが基準として活用されています。単なる企業理念やスローガンではなく、社員一人ひとりが「どのように考え、行動すべきか」を示す実践的な指針です。
つまり採用面接では面接を通して候補者がOLPを発揮できる人材なのかを判断されます。入社後も評価の際には「〇〇さんは△△というTaskを通して、このOLPを発揮している。だから評価されるべきだ」と言った議論を行います。
最重要な5つのOLPと質問、回答を解説
前回の記事にて、OLPの中でも特に全Job Levelに求められる5項目を解説しました。
(★★★★となっているOLPですね。)
- Customer Obsession
- Ownership
- Learn and be Curious
- Earn Trust
- Bias for Action
このうちCustomer Obsessionは大前提として捉えているため、面接では特筆して聞かれることは少ないです。各OLPの面接を進める中で「お客様第一の視点に立って常に行動しているか」を見ることで網羅しています。
それ以外の4つのOLPについて、実際に面接ではどのような点を見られているのか。そしてどのようなエピソードを用意しておくことで合格に近づくのか。を解説していきます。
①Ownership
Ownership
リーダーはオーナーです。リーダーは長期的視点で考え、短期的な結果のために、長期的な価値を犠牲にしません。リーダーは自分のチームだけでなく、会社全体のために行動します。リーダーは「それは私の仕事ではありません」とは決して口にしません。
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Ownershipでは、全ての事柄を自分事と捉え行動できる人材かをみています。よって以下の観点からエピソードを用意すると良いでしょう。
①自身の部署や所属の範囲を超えて行動した経験
(例1)
小売店の店長として在庫管理の正確性を上げるため、本社の在庫統括を行っている部と共同で在庫管理の方法を見直した。新しくシステムをエンジニアチームと作り上げ、在庫管理の品質を○%向上させた。
→店長ながら他部署を巻き込んで行動できる力があると判断できる
(例2)
小売店の店長として自店舗の成功例を他店舗にも展開することで他店舗の売り上げが○円上がった。
→所属を跨いで仕組みを展開することで会社全体の利益に繋げる力を有していると判断できる
②長期的な利益のために短期的な利益を犠牲にした経験
(例1)
年間の売り上げ目標を達成するために、初月の売り上げ目標をあえて下げ、その分チームメンバーの育成に時間を使った。翌月以降はメンバーの成長により売り上げをコンスタントに出すことができ年間の売り上げ目標を達成した。
→短期的にリソースを用いることで長期的な目標を達成できている。
②Learn and be Curious
Learn and Be Curious
リーダーは学ぶことに貪欲で、常に自分自身の向上を目指し続けます。新たな可能性に好奇心を持ち、探求します。
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Learn and be Curiousでは常に学び続け、自身とチームの成長に繋げることができているかを聞かれます。ここで重要なのは学ぶだけでなく、それをアウトプットし結果に繋げることができているかということです。よって以下の観点からエピソードを用意すると良いでしょう。
①新しい改善のために積極的に学び、活かした経験
(例1)
自身の拠点で品質管理の工程に欠陥が見られた。他拠点に良い改善方法が無いか確認し自拠点でも同様の手法を導入することで自拠点の品質を〇%向上させた。
→問題に対して積極的に他者から学び、改善することで結果に繋げている。
③Earn Trust
Earn Trust
リーダーは注意深く耳を傾け、率直に話し、誰にでも敬意をもって接します。たとえ気まずい思いをすることがあっても間違いは素直に認めます。リーダーは自分やチームの体臭を香水と勘違いすることはありません。リーダーは常に自らを、そしてチームを最高水準のものと比較し、高みを目指します。
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Earn Trustではチームメンバーを信頼し、良好な関係性を構築できるかを見られます。馴れ合いではなく、お客様のために活動をする上で必要な信頼関係を築き、時には厳しい意見ができるかという点が需要です。また、失敗経験から学び、次に活かす素直さもよく見られる項目としてあげられます。よって以下の観点からエピソードを用意すると良いでしょう。
①チームメンバーの反対意見を納得させ、お客様のために行動した経験
(例1)
新しいシステムを導入するにあたり、チームメンバーからは業務量が増えると反対意見が出た。システム導入によるメリットを一人一人に理解してもらい導入に繋げた。
→目的を見失わず、納得してもらえるようコミュニケーションが取れている
(例2)
チームメンバーの中にパフォーマンスが悪い方がいた。日々の会話を通して信頼関係を築きながら自身や他者の成功例を共有することでチームメンバーの行動量が増え、チームとしてパフォーマンスが上がった。
→時には気が引けるフィードバックもチームのために実施できている。
②チームメンバーからのフィードバックを素直に受け止め、自身の行動を改めた経験
(例1)
自身の営業成績を上げるために他メンバーと営業先が被り、結果として営業先の方に迷惑をかけた。チームメンバーから利己的に行動しているとフィードバックを受け、以降はメンバーと話し合いながらエリア内の営業先を網羅するようにした。結果チームの売り上げが○円となり過去最高額となった。
→チームメンバーからのフィードバックにも耳を傾け、チームとして最適な動きになるよう自身の行動を改めている。
④Bias for Action
Bias for Action
ビジネスではスピードが重要です。多くの意思決定や行動はやり直すことができるため、過剰な調査や検討に時間をかける必要はありません。計算されたリスクを取ることに価値があります。
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Bias for Actionでは限られた期限の中でどのようにして行動を早めることで期限内に期待されている結果を出すことができているかが問われます。行動を早めるために時にはリスクとベネフィットを天秤にかけながら行動することも必要です。よって以下の観点からエピソードを用意すると良いでしょう。
①限られた期限の中で結果を出した経験
(例1)
通常3ヶ月かかる納期に対して顧客から1ヶ月で納品して欲しいと注文が入った。必要なパーツのうち5つを納期の早い代替品に変え、かつ作業工数が少ない設計に変え直すことで納期に間に合わせた
→顧客の要求を最大限担保するために柔軟な思考を行い、行動ができている
②限られた期限の中で行動するためにリスクをとった経験
(例1)
通常3ヶ月かかる納期に対して顧客から1ヶ月で納品して欲しいと注文が入った。代替品で納期を早めることができるものの、耐久性が落ちるリスクがあった。納品後再度耐久性を再計算し、顧客と相談の上追加工事を後日行うことで耐久性も担保した。
→耐久性というリスクに対して最重要な納期を守りながらも、フォローアップによりリスクを軽減できている。
最後に
今回は前回の記事の続きとして最重要なOLP4つに対して、準備のポイントと受かるエピソード例をご紹介しました。
今回紹介したOLP4つはL3以上に必須ですが、L4以上では更に必要なOLPの項目が増えます。合わせて対策することが重要です。
また、各エピソードを話す中でロジカルに話せるか、定量的に背景や結果を説明できるか、仕組みで解決できているかなど見られているポイントがさらにあります。エピソードが定まったらこういった観点から肉付けを行い、面接で話せるように対策を行いましょう。
