Amazonの優秀な人材を繋ぎ留める給与形態とは。 年収も公開 【Amazon社員が解説】

こんにちは。ぺちです。
Amazonの中途採用や新卒採用で気になるのが給与面ですよね。
Amazonは外資系企業のため、日系企業とは給与形態がかなり異なります。
またRSUやサイニングボーナスなど、聞きなれないもので給与は構成されています。
本ページではそのような給与形態の解説とぶっちゃけいくらもらえるのか解説します。

Amazonの給与を構成する4要素

Amazonの給与は以下の4つで構成されます。
それぞれ貰えるタイミングや形態が異なり、これらの合計が年収としてカウントされます。

  • 年俸
  • RSU(株式報酬)
  • サイニングボーナス(サインオンボーナス)
  • 各種手当

それぞれ詳しく解説します。

①年俸

野球選手のお給料で聞いたことがある方もいらっしゃるかと思います。
Amazonでは毎月支給される給与は年俸としてカウントし、これを12等分して月々の給与として支払われます。
これにはJob Levelに合わせた基本給、役職手当が含まれます。また、Job LevelがL4以上になるとここに固定残業代が月当たり70時間分含まれます。
「固定残業が70時間分ということは70時間必ず残業しないといけないのか」という疑問が湧きますが、結論70時間残業しなくても70時間分支給されます。Amazonではベゾスの掲げる「ワークライフハーモニー」という考え方を重要視しており、残業時間は上司によってかなりしっかり管理されています。基本的に36協定に沿っているため月40時間を超えそうであれば必ず上司の承認がないと残業できず、原則承認しません。また、残業の多い人は全社員にランキングが共有される徹底ぶりで、上司の上司も指導するほど徹底しています。

②RSU(株式報酬)

RSU(Restricted Stock Unit)はAmazonの株式を貰えるというものです。Amazonでは賞与はありません。代わりにRSUが賞与のような役割を担っています。
入社時のRSUは入社から1年後以降に順次貰えます。貰える=自身が自由に売り現金化できるということです。入社時のRSUは基本的に以下の配分で支給されます。

  • 入社1年後→5%
  • 入社2年後→15%
  • 入社3年後→40%
  • 入社4年後→40%

また、入社後、毎年4月に本年度の年俸やRSUも昨年の実績に応じて提案されます。これらは提案後、1~2年後に支給されます。
入社時のRSUが後半に寄っていたり、毎年の評価に応じたRSUが1~2年後に支給される理由として優秀な人材をAmazonに長く繋ぎ留める役割を持っていると思います。1年間働かないとRSUが貰えないためそこまでは働こう、ただそのタイミングで更に翌年支給されるRSUが提案され更に1年働く…と続くわけですね。
また長期的に見るとAmazon株は右肩上がりの傾向にあります。「Amazonに長く務める方は億り人になっている」というのも社内では有名な話で、私自身も入社時のRSUはわずか数年で1.5倍ほどまで上昇していました。
自社株を支給することで「自身が頑張る→Amazonの業績が伸びる→株価が上昇する→RSU売却時の報酬が更に増える」というモチベーション維持の側面も持ち合わせていると考えます。

③サイニングボーナス(サインオンボーナス)

外資系企業では良くある給与の一つで「入社祝い金」や「一時金」と呼ばれます。
こちらは年俸に加えて入社1~2年目のみ支給されます。RSUが1~2年目の支給が少ない分、サイニングボーナスで補填している形ですね。

④各種手当

上記に加えて家賃手当や単身赴任手当などの各種手当が支給されます。
Amazonに限らず外資系企業は基本給を高く設定することでこの範囲内で家賃なども頑張って工面してねという考えを持っています。よって家賃手当と言っても数万円程度と、支給額は日系企業に比べ低いです。
また、家賃手当は会社命令での異動が生じた時のみ支給されるため全員が貰えるわけではないことも注意が必要です。

Amazonの給与の注意点

基本的な給与形態を解説しました。ここでは意外な注意点を少しご紹介します。

高い評価を上げても年俸は上がらない

Amazonは成果主義ですので頑張れば頑張った分だけ給与は上がります。現に私も実績を上げた翌年は前年に比べて数百万円年収が上がりました。ただ、実績を上げても年俸はほぼ上がりません。RSUの支給額がぐぐっと上がります。
よって実績を上げても更に1年は働かないとその旨味を得ることができない給与構造になっています。

Job Level L3以下はRSUやサイニングボーナスは支給されない

L3以下は年俸と各種手当のみの支給となります。RSUやサイニングボーナスはありません。
また、L3の年俸には固定残業代が含まれておらず、残業代は残業した時間数に応じて支給されることも注意が必要です。

実際の年収例を大公開

ではこれらを加えた実際の年収はどれぐらいになるのでしょうか。
以下では「年収例」として一例を公開します。

①L4 1年目 – 年収700万円

1年目のためサイニングボーナスが支給されますがRSUの支給はかなり少ないです。

  • 年俸: 550万円
  • サイニングボーナス: 100万円
  • RSU: 50万円
  • 各種手当: 0円
  • 年収: 700万円

②L4 3年目 – 年収830万円

3年目のためサイニングボーナスは支給はありません。3年もいるとそろそろ昇格試験を受けようという話になり、それに応じた成果を上げているというシミュレーションモデルとしています。成果を上げたということでRSUの支給額がかなり上がります。

  • 年俸: 580万円
  • サイニングボーナス: 0円
  • RSU: 250万円
  • 各種手当: 0円
  • 年収: 830万円

③L5 5年目 – 年収1140万円

L5になると1000万円の大台に乗ります。実績を積めば1500万円台も十分狙えます。L5が一般企業の課長クラスという位置づけですから、他社と比較しても圧倒的な給与額です。

  • 年俸: 750万円
  • サイニングボーナス: 0円
  • RSU: 350万円
  • 各種手当: 40円
  • 年収: 1140万円

最後に

本ページではAmazonの独特な給与形態と、実際の給与例について解説しました。
特に内定後のOffer面談では給与形態を知っていると交渉する余地があった場合にスムーズに話すことができます。
また新卒、転職変わらず同じ給与形態を採用しているため、Amazonを受けてみたいという方はしっかり理解することをお勧めします。

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